琥珀
さき

擂り潰す
心の在り処を問わないで
琥珀色した
液体の
底に沈んだ
愛を拾おう


「今」よりも
草臥れたものが
あるとして
それよりも尚
ひきつけるのは
紛れもない
低く笑って
煙草の
煙の
行方で占う


憧れた
遠くよりも
より遠い
感じる度に
理想と現実
赤い口紅
赤いネイル
そんなものは
殆ど

移ろうことは
恥ずかしいことではないと
私の不実も認められる


焼け切れ
焼け切れ
今も過去も
占う明日も
何もかも
足りない
足りない
私の中身を
贖う
今夜の
ささやかな

琥珀色


底に沈んだ
愛を拾おう










自由詩 琥珀 Copyright さき 2008-09-13 10:08:30
notebook Home 戻る