指先で弄んだ結果
高島津諦

十五日 伝説の波が 来たらしい もう広島は 残っていない


「誰しもが就職しないとならない」と書いてある本捨てられずいる


君はいつも「注文なんてしないわ」と僕の心を試そうとする


今君はそこにそうして座っててけれど一体どこを見てるの?


物足りないけれど太るの怖いから幸せの摂取制限中よ


君がふと隣の席に座るから飲めない午後の紅茶(ミルクティー)


落ちてきたしずくを指でぬぐう夜どこかで君はこうされている


舌先でそっとなぞって御覧なさいほんのり甘くてちょっぴり痛い


「キスしましょう。キリンになったつもりでね」イカスミパスタを食べ終わり君は


引き抜けぬつるぎがあるというだけで勇者の集う世の中でなし


黄泉よもつから届く呼び声夜もすがら鉛筆削りを唸らせている


ちんちんと言葉に出して楽しめる間はきっと青春だろう


目覚めてよお願い私の才能よ眠っている間に死んでしまうよ


モンブランに醤油をかけて食べるという君の田舎も愛せるだろう


大仏の顔をぶらさげていようとも醜さに人は仏を殺す


猫よりもさんまが好きな君のこと好きな誰より僕は好きだよ


短歌 指先で弄んだ結果 Copyright 高島津諦 2008-09-12 02:49:07
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