指先で弄んだ結果
高島津諦
十五日 伝説の波が 来たらしい もう広島は 残っていない
「誰しもが就職しないとならない」と書いてある本捨てられずいる
君はいつも「注文なんてしないわ」と僕の心を試そうとする
今君はそこにそうして座っててけれど一体どこを見てるの?
物足りないけれど太るの怖いから幸せの摂取制限中よ
君がふと隣の席に座るから飲めない午後の紅茶(ミルクティー)
落ちてきたしずくを指でぬぐう夜どこかで君はこうされている
舌先でそっとなぞって御覧なさいほんのり甘くてちょっぴり痛い
「キスしましょう。キリンになったつもりでね」イカスミパスタを食べ終わり君は
引き抜けぬ剣があるというだけで勇者の集う世の中でなし
黄泉から届く呼び声夜もすがら鉛筆削りを唸らせている
ちんちんと言葉に出して楽しめる間はきっと青春だろう
目覚めてよお願い私の才能よ眠っている間に死んでしまうよ
モンブランに醤油をかけて食べるという君の田舎も愛せるだろう
大仏の顔をぶらさげていようとも醜さに人は仏を殺す
猫よりもさんまが好きな君のこと好きな誰より僕は好きだよ