モンパルナス
《81》柴田望

野の果                    
薔薇 が ああ 馳ける しらしらと ため息               
柔らかさ から 聳え、 そして 語るな。                
この                    
無名 に 予感 に 意志 の               
水のやうに 求める約束 は 涙なく                 
                    
あの孤独 の 木 に 向かって                
寂かに 堪えて                   
照らし のは ベッド と 前                
ぬれた ゐなくなる                   
天空 は                   
泡 は 他の方法                  
狭間 に あなた                  
                    
羊歯族 は 失ったなら ああ                 
征服者 を ついに 暴走する                 
針のやうに 無防備の 胸 は                 
                    
あいさつなさい 流れてしまったの 呼ばれる                  
それこそ ゲンザイ と 穹窿 は 雨               
寂かに の あがるな。                  
                    
夜 を 針のやうに 一茎 が ひるみ               
座ったとたん の 風 の 表意文字のように よ 循環する              
                    
ぬくぬくと それこそ                   
残念ながら ひるみ                   
焔 を 神話から は                 
ゐない                    
重く                    
白蝋 な 空 に 喰う                
みんな ふたつ だが くちづけ でも                
完全に                    
くつくつと                    


自由詩 モンパルナス Copyright 《81》柴田望 2008-09-11 21:01:44
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