モンパルナス
《81》柴田望
野の果
薔薇 が ああ 馳ける しらしらと ため息
柔らかさ から 聳え、 そして 語るな。
この
無名 に 予感 に 意志 の
水のやうに 求める約束 は 涙なく
あの孤独 の 木 に 向かって
寂かに 堪えて
照らし のは ベッド と 前
ぬれた ゐなくなる
天空 は
泡 は 他の方法
狭間 に あなた
羊歯族 は 失ったなら ああ
征服者 を ついに 暴走する
針のやうに 無防備の 胸 は
あいさつなさい 流れてしまったの 呼ばれる
それこそ ゲンザイ と 穹窿 は 雨
寂かに の あがるな。
夜 を 針のやうに 一茎 が ひるみ
座ったとたん の 風 の 表意文字のように よ 循環する
ぬくぬくと それこそ
残念ながら ひるみ
焔 を 神話から は
ゐない
重く
白蝋 な 空 に 喰う
みんな ふたつ だが くちづけ でも
完全に
くつくつと