ミス・サンドベージュ
佐和
その彼の面影に勝手な幻(りそう)を重ね
もし隣りにいても相手がどうしているとかは
空ゴト
その彼が生きてさえいれば
自分は要済みの人間とハンを押したくなり
消えてなくなりたいのに つづいて行く道を喜べズ
好きだった人間観察にも興味が薄レ
歩く調べに力無く
姿勢に凛々しさも浮かべられズ
共に生きる強さも無く
ライトベージュのオーガンジーブラウス
グレーがかったベージュのワークパンツ
シルバーとダークブラウンのアクセ
黒のエナメルパンプスで
サングラスの女が忙しい朝の駅チカに
紛れている
自分の居場所を客観的に把握デキナイ