ミス・サンドベージュ
佐和

その彼の面影に勝手な幻(りそう)を重ね
もし隣りにいても相手がどうしているとかは
空ゴト

その彼が生きてさえいれば
自分は要済みの人間とハンを押したくなり

消えてなくなりたいのに つづいて行く道を喜べズ

好きだった人間観察にも興味が薄レ
歩く調べに力無く
姿勢に凛々しさも浮かべられズ
共に生きる強さも無く

ライトベージュのオーガンジーブラウス
グレーがかったベージュのワークパンツ
シルバーとダークブラウンのアクセ
黒のエナメルパンプスで
   サングラスの女が忙しい朝の駅チカに
                紛れている

 自分の居場所を客観的に把握デキナイ


自由詩 ミス・サンドベージュ Copyright 佐和 2008-09-09 15:58:54
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