させ
佐々木妖精

なぜ傘など持っているのですか
こんなにも晴れた日に
あなたのことは分かっているつもりです
被害者だと思えばなんでもできます
私はあなたに何もしていないつもりですが
お前らの中に含まれているのなら仕方ありません

こんなにも晴れた日に
そんなにも汚れた傘を手に
あなたがしたことは分かります
私もしたいことですから
こんなにも晴れた日ですから
ずいぶん瞼もはれている

あなたの拳で握られた
骨の飛び出したその傘は
私もよく覚えています
通り雨の中で
私がさしてた傘ですから
捨ててしまったその傘を
そんなにも濡らして
そんなにも尖らせて
路面に何度も突きさして
そんなにも握りしめているあなたを
あんなにもお前らが笑っている
岩のようなおもいで
草木の合間を貫いて

こんなにも晴れた日ですから
どこか日陰を探しましょう
木漏れ日のさす場所に
その傘をさしましょう


自由詩 させ Copyright 佐々木妖精 2008-09-06 07:18:46
notebook Home