明後日の事は知らない。(今日と明日と明々後日と)
プル式
雨でも無いのに霞む線路道
ヘッドフォンから聞こえる六弦の弾き(はじき)
森のなかへの餌食の様に飲み込まれる僕ら
雨でもなく風でもない森の声と
混ざり合い溶け合う歌と僕の耳
ここから見えるのは何?
曇り空?
線路の上の電線?
緑の中に消える道?
時折見える郊外のスーパー?
坂の階段の上に何かがあるの?
なにが見えて
何が見えないの?
空が一転暗くなり降り出した雨
白く消える世界にはスポーツジムが似合う
造られた無機質で快適な空間と自己管理
ガラスの中から見える緑の山々とざわめき
六弦が頭を揺らす
見えるものも見えない事も変わりはない
同じだけ与えられた
世界と今
そうして電車に運ばれて緑の餌食となり
都会へ捨てられていく
思い出した
朝、洗濯物を干したままだ
理不尽な世の中だ。