さようなら
音をたてて私の体が、バラバラに飛びちった。
胃から、昨日飲んだぶどうジュースが流れだした。
この面白いショウを見ながら、砂漠の向こうで人が笑っている


ほんとうに、四方八方に、飛んだなあ
あのね、ひろい集めるのは、とても大変なんですよ。
それは掃除のおばさんがやるのだが、ちりとりを忘れると
大変だ。
ゴミ袋を間違えて、透明なものを持ってきてしまった
ことがあった。
あの時は透明なビニールから、何もかもが、赤く見えていた。


ただ、人間て死ねば、鳥と変わらないんだね。
問題は、ああいう赤い肉に感情移入できるかどうかだ。
やさしい気持ちになって見ると、
げろを吐いてしまうだろうから。
人間らしさとは、げろを吐くことなのかもしれない。
笑うことが人間らしさ？
動物でもわらうことはある。檻の中の人間をわらっているんだ。


でも、人間が檻の中でげろを吐きつづけると
世界はすっぱい臭いでいっぱいになってしまうだろうから、
人間の死なんて、なまなましい鶏肉じゃなく、
コンピューターゲームでピピピーと光って
点数が出て終わりくらいがちょうどいいんだと
このごろ思う。