9条とアフガン 続き
A-29
今まで一度もそんなことが無かったのに、ここへ来てとうとう殉職者が出てしまった。
何かが壊れてしまったのだろうか。
僕もかつてはアフガンへの竹と堆肥の無償輸出を夢見ていた。アフガンの不毛の傾斜地に竹でシガラを組んで堆肥を堆積させ、土壌生成を促す。
以前の通産省や環境庁、輸出業者などに問合せ、紛争さえ収まれば実現の可能性はあると下調べをしたこともあった。
もう、そんな状況がおとずれることはないのだろうか。
「そんなことしたって、次の日には竹は薪にされて消えてなくなるわよ。」ある女性がそう言った。
べつにかまやしないさ。薪としてのニーズがあるんだったらそっちへまわればいいことだから。そんな関係であれ、継続すれば意義深いんだから。なんて考えていたっけな。
青年は薪のように扱われたのか…。