そんな週末の黄昏に
ウデラコウ

ハッと気付いたらもう。
夏も終わりなんですって随分早いのね

夏の日差しの下を歩くなんて、もうずいぶんやってなくて。
夕闇に鳴くひぐらしが妙に切なくて やりきれず空をみた

何もかもうまくいかなくて
ああ なんてあたしは 小さいのだろうって
薄紫の雲だけが 悠々と棚引く空が羨ましかった

ヒトなんて全て不確定で不安定で
言葉になんて意味はないのって
自分に言い聞かせて ああ消えちゃえばいいのに

どうしてなかなか こういう弱いときって
色んな昔のことを思い出す
出てこなくてもいいものまで 顔を出して

ああ消えてくれ 消えてくれ
二度と姿を見せないでって
何度も願ったのに

また 顔を見せるのね

寂しいとか悲しいとか愛しいとか恋しいとか
そんな感情ばっか もてあまして
ねぇいったい 

あたしの 心は どこへゆくというの

ふわふわして ぼろぼろで
わたあめみたいに 儚くて
べっこうあめより 脆くて

そんな想いばかり 抱えてきて

なんだかとっても 疲れちゃった

三ヶ月に一度逢えるだけで 死ぬほど笑顔になれてた頃とは
もう違うのよって
なんだかなぁ どうしてここまで穢れちゃったんだろう

純粋に ただ純粋になろうと
そればっか 追いかけてきたのに
気付いたら あたしはもう 真っ黒で

澄んだものなんて 全部消えてしまった

今となっては 苦笑うだけで精一杯で
今更願いなんて ないのだけど
あの頃の 素直な気持ちで願ったら

ねぇ 戻っておいでよ 
君の心
穢したあたしが言うのも なんだけど

戻っておいでよ

君が 一人じゃいられないのなんて
あたしが一番良く知ってるんだから

戻っておいで・・・

って 今にも漆黒に溶けてしまいそうな雲を見つめて
静かに願った

週末の黄昏に

最初から あたしなんて からっぽなのよ



自由詩 そんな週末の黄昏に Copyright ウデラコウ 2008-08-30 01:51:48
notebook Home