眠る儀式
佐々木妖精

俺は男だと拳を振りかざす
前時代的な劇画のように
俺はオケラだと笑う
無頼派の原液に面くらいながら
お化け屋敷かお化けか胸を高鳴らせ
改札を開け閉めする

失うものなど何もない
ほつれた背中で語ったつもりが
尻に敷いたポケット詩集が
しおれながらもはしゃいでいる
これ以上座るのは躊躇われ
前のめりに眠るも
引っかかるフレーズが幾重にも重なり
隠しきれない億二重を
枕にこすり眠りを目指す


自由詩 眠る儀式 Copyright 佐々木妖精 2008-08-29 01:41:52
notebook Home