すき屋の真ん中で「何しとんじゃ吉野屋」と叫ぶ
角田寿星

先日の夜、だったかな。
それとも朝、だったか。

誰も食わねえ北海道みやげのわかさいもをバリボリやりながらテレビをみてたら、
すき屋のCMをやってた。有名な牛丼のチェーン店だ。
そこで俺は信じられないものを目にしたんだ。

すき屋のCMにキン肉マンが出てるじゃないか。
しかも、すき屋の旗に跨がったりして「すき屋よろしく」とか言ってる。

キン肉マンがそこにいちゃあ、道義上まずいだろ。


今年が、キン肉マン生誕29(にく)周年だってことは、知ってた。
だからキン肉マンも、いろいろ営業やらなくちゃいかんことは、まあ了解できる。
でも、なあ…キン肉マンは…キン肉マンといえば…


キン肉マンと言やあ、吉野屋だろっ!

 牛丼ひとすじ三百年
 はやいのうまいの やっすいの
 味の吉野屋〜
 あじのよし〜のや〜

てのが、キン肉星の国歌だったはず。
キン肉マンの猛プッシュがあって、当時潰れかけてた吉野屋が盛りかえした、
というのは有名な話。
(吉野屋は「経営努力だ」と言うが、それは絶対ちがうと思う)
キン肉マンと、手に手を取りあって、牛丼の吉野屋は成長したはずなんだ。


吉野屋よ。
なぜ、その手を離してしまったのか。
牛丼ひとすじじゃあ、なくなったせいなのか。
狂牛病がお前を狂わせたのか。

吉野屋。
お前、何しとんじゃ吉野屋。
キン肉マンとの友情は、ありゃお前いつわりだったんか。

今からでも遅くはない。
すき屋に乗り込んで、キン肉マンを取り戻して来い。


散文(批評随筆小説等) すき屋の真ん中で「何しとんじゃ吉野屋」と叫ぶ Copyright 角田寿星 2008-08-29 01:06:18
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