こども
F (from send-ence)

僕がまだちっちゃい頃
大好きなばーちゃんに連れられ阿倍野橋

トコトコ後ろをついて歩いていくうちに
ばーちゃんはまるで違うおばさんに大変身!

追跡失敗 人違い
僕を呼ぶばーちゃんの声が
右斜め後ろ37.5°から聞こえる
あの時は迷子一歩手前だったらしい

僕がまだちっちゃい頃
夏の夜はビール片手に
阪神を応援しているパチンコ好きは
クリスマスの日限定でサンタクロースに大変身!

僕が眠りについた後
枕元にプレゼントを置いておいてくれた

朝起きると突然おもちゃが置いてあるなんて
夢みたいな事 嬉しかったな 覚えてる

律儀なサンタさん
ご丁寧に値札付けたまんまですよ

いつのまにかの出来事
すりかわったばーちゃんであったり
一夜のうちに現れたプレゼントであったり
知らないうちにいつの間にか
自分に繋がる歯車が回っている
知るのはクルクル回った後 戻すことはもうできない
そんなことがたまにはあって

ぼくらの敵 試験の前日の夜に
「もしかしたら明日 朝起きたら不思議と
スラスラ問題が解けるようになってるかもな」
妙に納得 知らないうちに都合のいい歯車が回ればいいなと
そして浅はかな考えの僕の部屋の電気は消されたわけで
もちろん 翌朝 淡い期待は裏切られる寸法

都合よく物事を解釈してはいけません
都合のいい歯車が回ることはないって知ってるくせに

僕がまだちっちゃい頃
世界はもっともっと広くて面白いもので溢れていた



自由詩 こども Copyright F (from send-ence) 2004-07-25 02:07:56
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