星月冬灯


 翼を下さい

 大きく羽ばたける翼を


 私は翔びたい

 この遥かな大空を

 今こそ

 何にも捉われず

 総てを捨てて


 私は何もいらない

 迷わず総てを捨てましょう

 後悔はしない

 自分が選んだ道なれば


 この両の手が翼であったなら

 私は自由に翔べるのに


 気ままに空を翔び

 気ままに床に就く

 腹が空けばものを喰い

 喉が渇けばみずを飲む


 長閑な人生

 夢の人生


 翼を下さい

 大きく羽ばたける翼を


 願いなどいらない

 望みなどいらない

 ただ大きな翼を広げて

 翔び立ちたい


 風に吹かれて

 どこまでも

 海を渡り

 山を越え

 どこまでも翔んでゆきたい


 太陽に向かって

 月に向かって

 星に向かって

 空高く

 誰も私の邪魔など

 させはしない


 私は自由

 世界は自由

 人生は自由


 世間に捉われず

 金銭に捉われず

 人に捉われず

 道徳に捉われず

 自由になれたなら

 私は何もいらない


 翼を下さい

 大きく羽ばたける翼を



自由詩Copyright 星月冬灯 2008-08-28 10:06:14
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