ぼうし
星月冬灯


 私の綺麗な白いぼうし

 風に吹かれてどこまでも

 コロコロ  フワフワ舞っていく

 どこへいってしまうの?

 この手にギュッと掴んでいた筈なのに

 いつの間にか私の手の中から

 飛んでいってしまった白いぼうし


 陽(ひ)の光(ひかり)があたってキラキラと

 まるで蝶のようにふわりと

 遊んでいる白いぼうし


 私はどこまでも  どこまでも

 そのぼうしを追いかけてゆく

 走って  走って  どこまでも


 でもぼうしは逃げてゆく

 どこまでも


 どうしていってしまうの?

 
 あと少しで届きそうなのに

 あと少しでこの手に触れそうなのに

 中々届かない悲しい気持ち

 触れたと思った瞬間

 覚めてしまう悲しい夢


 現実はあまりにも無惨すぎて

 希望はあまりにも大きすぎて

 平和など有りはしないのに

 でもどこかに安らぎを求めている

 自分がいる


 ぼうしよ  どこまでも・・・


 私はその白いぼうしを

 追ってゆく


 いつか  この手に

 掴まえられることを信じて



自由詩 ぼうし Copyright 星月冬灯 2008-08-28 10:04:31
notebook Home 戻る