愛について
吉岡ペペロ

そうだ、中三のとき

愛について、いつも考えていた

こころの灯、なんて題名つけて

愛について、ノートまでつけていた

母が死んで整理していたら

耕太郎関係、って書いた段ボールに

それを見つけた

一瞬、はずかしくなって

その気持ち、悲しみと混じりあった

そして

たぶん母がそうしたように

こころの灯、を読み返した

あのときはじめて

母の気持ちにじぶんをかさねた

あのころのじぶん(あのころの息子)

愛について、こんなことが書いてあった

愛とは(愛とは)

その対象に(その対象に)

差し出した(差し出した)

時間のことだ(時間のことだ)


自由詩 愛について Copyright 吉岡ペペロ 2008-08-28 02:04:13
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