愛について
吉岡ペペロ
そうだ、中三のとき
愛について、いつも考えていた
こころの灯、なんて題名つけて
愛について、ノートまでつけていた
母が死んで整理していたら
耕太郎関係、って書いた段ボールに
それを見つけた
一瞬、はずかしくなって
その気持ち、悲しみと混じりあった
そして
たぶん母がそうしたように
こころの灯、を読み返した
あのときはじめて
母の気持ちにじぶんをかさねた
あのころのじぶん(あのころの息子)
愛について、こんなことが書いてあった
愛とは(愛とは)
その対象に(その対象に)
差し出した(差し出した)
時間のことだ(時間のことだ)