夏の終わり
ヒロシ

街は雨

夏の終わり

もうすっかり
まだ8月だというのに

肌寒くなって

僕は部屋からぼんやりと
外を眺めている

祈りも
叫びも

雨雲に
吸い込まれて

今日は夢を見ることさえも
忘れてしまいそうで

ただ

遠い日
あの子と抱き合った事を

なぜか思い出してしまっていた

季節よどうか
うつろわないで

向日葵がそう囁いた気がした

夏の終わり

ただ

ゆっくりと

時は過ぎていく

時間を停める術を
僕は知らなかったんだ


自由詩 夏の終わり Copyright ヒロシ 2008-08-27 08:23:37
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