夏の鋭角
Rin.



■ミッドナイト・シャワー■


  ミッドナイト
  月のナイフで切る指に怖いほど、まだ滴るカシス


  甘い、赤
  舐めて
  瞳に翻る
  純情、孤独、叫ぶキラメキ


  切れ切れの夢は涙も許さない傷なき闇に響くクラクション


  深夜2時
  撃て、撃て硝子のリアリズム
  破片(カケラ)の雨、君はまどろみを刺す


  失くすものだらけの手のひらで壊す、君を
  脈拍さがす
  ガラクタの中



■影(シャドウ)■


  太陽の裏切りだけがない世界に産まれた日から離れぬ影(シャドウ)

  蜜一滴 咽て語れぬバスタブに溶かして君の影にまたなる

  僕はきみ、君は誰とかいう人と背中あわせる鋭角の夏



■〜Call squall〜■


  2秒前の実存さえもかき消してsquall濡れた身体だけ在る


  手のひらで雨滴は叫びを露呈する。流れないのは昨日の視線


  白昼夢、醒めて終われる世界なら二人笑って壊したろうか


  Thunder君の翼のなかった肩越しに見ていた空虚と孤独な銀河


  銃声音それでも奪えぬのはソウル銀にサヨナラ砕け散っても


  楽園で何を祈っていたなんて思い出せない手のひらの雨


  「抱キシメテ」をソーダの瓶に詰め込んでcrash!!そんなお前のままで


  散る銀に触れたら醒める世界なら壊しただろう手のひらに 雨


  愛なんてたやすい言葉が欲しいなら涙でなくてsquallを呼べ

                   


      


短歌 夏の鋭角 Copyright Rin. 2008-08-26 18:48:31
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