悲しみと祝福と
吉岡ペペロ



ホテルに荷物を置いて

もうすぐ日がかわる外に出た

この土地の名物だという料理と

この店でねかせた果実酒をたのんだ

サービスだと言って

小ぶりの林檎と小ぶりの茄子がでてきた

よくしゃべる女主人だった

勘定は倍くらいとられた

あったかくなった体が

ちょっとだけ引っ掻かれたようだった


朝はレンタカーで企業に出向いた

窓からの風がさむかった

つんと胸が悲しくなった

風が横にながれて

なにかに

祝福されているような気もした

おなじ季節でも

神戸と秋田じゃこんなにも違うんだ

秋になるまえに体が

ひと足さきに引っ掻かれたようだった


携帯写真+詩 悲しみと祝福と Copyright 吉岡ペペロ 2008-08-24 22:30:02
notebook Home 戻る