home 2
たちばなまこと

雨が屋根をたたいている
夜は
この街の夜は いつも雨
世界を願う歌や 戦う人の歌を聴いた
胸焼けがするほどに湧いてくる
愛する人を失って家を無くしたら
私が家になればいいの きっと
わかっている

地震の気配にいつも怯えている
臆病に生きていたんだ
あなたは震えを止めて
また震えを残して
体を失って
魂が何処までも
還るまで
融けるまで
持って行きなさいと言う

いいよ

溢れるよ
零してばかりだよ
留められないよ
そのままでいいの そのままでいいの
いいの
返ってこないよ
投げてばかりだよ
散らかったままだよ
泣き疲れて ひとつずつ
拾い集めて
同じ時間を費やしながら
また飲み込んで
そのままでいいの そのままでいいの
いいの

私はすでにhomeで
胸の中ではまだ白い液体が創られる
海で
右手が器用に動くのに
仕事は夜までをおびやかしている
私はhomeだけれど
いつも怯えている
怯えながらいつか溶ける日を
ただ待っている



自由詩 home 2 Copyright たちばなまこと 2008-08-24 21:09:50
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