眩む青
笹子ゆら
世界を変えられるとか変えられないとか
そういうことをいちいち誰かが細々とつぶやいて
それは確かに誰かの耳に入るけれど
結局うまく回らないまま、落ちてしまう
爆撃の音がきこえる、夜
わたしのために空が唄う準備をはじめた
静かに、悲鳴をあげながら
朽ちる前にせめて遭いたかったと
少しでも幸福をわたしてあげたかったと
誰かは願いながら意識をなくすのに
どうしてこんなにも混沌とした時代の中で
崩れていってしまうのだろうか
青空がどこかで音を立てているかのように
清々しく、わたしをつめたく責めてゆく
まばゆいその閃光の中にまみれて
溺れてしまえればいい、と願うけれど、
狂ってしまえれば楽なのだと
どこかで囁いている、朝