夏のおわりのはじまりの秋
nonya
夜のおわりのはじまりの朝
シーツの広さを掌で思い知って
二人のおわりのはじまりの一人
残り香がひんやりと胸を掠めて
昼のおわりのはじまりの夜
未練たらしい影法師が踵から生えて
夢のおわりのはじまりの現
夜風に色褪せていく背中を丸めて
君のおわりのはじまりの君
火照った町並みに紛れ込んだ
秋の指先に君は気づいてしまって
僕のおわりのはじまりの僕
照れ笑いしながら遠ざかる
夏の後姿に僕は気づけなかった
自由詩
夏のおわりのはじまりの秋
Copyright
nonya
2008-08-23 13:12:06