星月冬灯


 とてもとても長い道

 まだ先は見えない

 暗くて冷たい土を踏み締めながら

 一歩一歩進んでゆく

 足が痛くても辛くても

 止まらず進んでゆく


 とてもとても険しい道

 まだ道は終わらない

 黒くて淀んだ空を仰ぎながら

 一歩一歩歩んでゆく

 足が重くても冷たくても

 休まず歩んでゆく


 綺麗な花畑も

 小鳥の囀(さえず)りも

 小川の細流(せせらぎ)も

 緑豊かな樹木も見ずに

 ただ前を見て歩いてゆく

 遠い遠い終わりを目指して

 まだ見えない道の果てに突き進んでゆく

 
 後ろは振り返らず

 横も見ないで

 ただ自分の前にある道だけを見つめて



自由詩Copyright 星月冬灯 2008-08-23 08:52:01
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