青空と瞳孔
sunaosnow

駅にころがるセミ爆弾を拾ってほおばり目覚まし時計ごっこしていたら眼病手前の女がSuicaをくれた

なんて幸せな月曜日の朝!

あの日僕は身につけるものすべて黒で統一して上機嫌で学校へ向かったのだけど学校に近づくにつれそして他の生徒に出会うにつれ僕の髪や目は茶色いのだったとゆう事実が思い起こされ結局いつもより余計に苦痛を感じることとなったんだ、という話を思い出した

いろんなことが関係あったり関係なかったりそれが楽しかったりつまらなかったりするのだろうけどもう酒で吐きたくはないから次に君に会う時は伯方の塩を1kg用意して行くよ

紙石鹸を床に敷き詰めて照明を青に換えたら僕の部屋はやっとまともになったようだけどそこで過ごすのはだからといって彼女の頭との折り合いはいつまでもつかないのだろうなとぼんやり考える時間が大半だから結局僕の部屋はまともにならないままかもしれないや

花らしい花を咲かせ実らしい実をつけた君はいつもでも満足してないようなそぶりをしていて嫌な女だったけど周りに煙たがれていたと言えばそんなこともなくむしろある種の憧れのような目を向けられていた

僕は生理的に受けつけられないという使い古された表現をようやく身をもって経験した訳だけどそれは発作に近いものでよもや生命の危機すら感じさせ本来この表現はとても軽々しく使用できるものではないのだと実感した

狸寝入りで今日までやり過ごしてきたのだが結局は弾切れということに変わりない

寂しがり屋のために足跡が残らないアスファルトができたのだという君の嘘だけが好きだったのだと溶ける犬の肉球を見ている最中に気が付いたがあの日真っ黒いモッズスーツから伸びた白い手が飛行機雲を指でなぞる間にすべて忘れたことにした


自由詩 青空と瞳孔 Copyright sunaosnow 2008-08-20 01:11:02
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