天井の上で暮らす
パラソル

天井の上で暮らしていると、
ほこりがころころと転がってくる
僕もまけじところころ転がって
天井の上を走る配線コードにからまる。
スパゲティのような気分になる。


えんとつのけむりで窒息する
木造の家に不釣合いなレンガのえんとつが
巨大なようかんのように圧倒的に襲いかかる
僕はむせながらほこりと一緒に転がって現実逃避する


時々、階下に住む家族に、ばかやろうと叫びたくなる
叫び声の振動で、あいつらの胴体を震わせてやりたくなる。
俺は影だ。ここにいるんだぞ。
ほこりと一緒に転がって、灰色の水玉になってるんだぞ。
叫びたい。ばかやろうと。


この窮屈な空間は、物が落ちてくる心配が無いぶん、
自分が落ちる心配がある。
つねに落下の恐怖と戦いながら、ゴキブリとも戦う。
むなしく床をたたく。


いつも横になって寝ている。
断食をしているような気分だ。
実際はそこらへんのネズミをつかまえて、生で食ってる。
階下に降りて、冷蔵庫を物色したりもする。
暗闇の中で、暗闇と溶け合うのを感じながら、
ゼリーを食ったりしている。


自由詩 天井の上で暮らす Copyright パラソル 2008-08-19 23:36:25
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