履歴書に対しできること
プテラノドン
開店前の7時、
スーパーマーケットの駐車場に車を止めて
日曜日のハンドルを握りながら友人を待っている。
自動販売機から戻ってくる友人に、
おはようのかわりに足かけをしたもう一人の友人は、
数年前に買った、百円ショップのサングラスをかけていて、
「外人みたいだろ」とまた同じことを言っている。
フレームからはみ出る顔色は万事酔っ払っているし、
徹夜明けの俺の頭の中では、もう、
メインレースは20回は走ったというけれど、
そんなんじゃゴールまでたどり着けないだろ
と、競馬場に向かう間も酒を飲んでたけれど、
結局はゴールなんかいらねえんだよなと
帰り道に寄った岩槻かどっかのドライブインの、
片言で話す給仕係しかいなかったレストランでも
おれたちはビールをグラスに注いでいたけれど、CDに傷をつけるように履歴書は書くものだと、
偽物のコンバースもパスポートのそれも
どちらも同じカタルシスにつながるとも。
悲劇の三ヶ月、
当たり障りないドライブをしていたら、
例の給仕係の男が履いていた偽物のコンバースが
話していた通りのビニール袋で包まれた格好で、
店先で売られているのを発見した。
幸手の靴の流通センターの店先に山ほどあった。
給仕係の男が捨てていったひび割れたCDケースと、
ライナーノーツとして入っているはずの、
おぼつかない文字の履歴書なんかなかった。
既に誰かが持ち帰ったのかもしれない。もしくは、
駐車場に捨てられているか。
ドライブインの、スーパーマーケットの、
おれの部屋のゴミ箱に