かじりかけ宇宙
ねことら

あたたかな毛布にくるまりながら
君の名前を小声で叫んでみる
世界のはじっこで
群れにはぐれたトナカイやヒツジも
安心して駆けつけてこられるような
優しい距離で



いつのまにか伸びてしまった手足と
鈍色の瞳にはりついた淡いカシオペア
(ピンクの傷跡をかくすように
(手と手をつなぎあった




この部屋のまどろみは
食べつくしてしまったね
ドアを開けて
しめった夜へと抜け出す前に
すこしだけ眠ろう




衛星の名前でしりとりをしていると
僕らふたりはぐれてしまって
気がつけば
あたたかな毛布の宇宙
(なつかしい匂いがするね


ふたりぼっちの
白々ひかる銀河のみちの上
はしる僕らのせなかを
スペースシャトルが
面影をのせておいこしてゆく
さびしそうなスピードで







自由詩 かじりかけ宇宙 Copyright ねことら 2008-08-19 00:34:38
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