そうやって
ウデラコウ

そうやって 君はさぁ
またいつものように 情けない声で 怒り出して

仕方ないだろって

ぐずる僕をただただ
叱って 叱って 叱って

僕の話なんて 聞きもせずに
ああまた その結論にいくんだろう

僕だってもう そこまで バカじゃあないから
くだらない無限ループの一歩手前で
結局 そうなんだな 君は って

諦めるんだ

ああ もういいよ もういいよ
そのまんまで

お金もない
時間もない
身長もない

それで いいじゃあないか
別に 僕
君に 何かしてほしくって
ゆったんじゃあないんだよ

周りが あんまりにも 幸せそうで
周りが あんまりにも うまくいってそうで

ただただ ただただ
羨ましかっただけなんだ

なぁそうだろ
僕等なんて
始まってからずうっと 我慢ばかりじゃあないか

ああ また そうやって
卑屈になって 僕を詰って
いいよもう 吐き出したいだけ 吐き出せばいいじゃあないか
僕を詰って 結局は

自分が 一番悔しいんだろう

君はいつだって
格好つけたがりで 意地っ張りで
できもしないことばかり やろうとして

それをさも

できてそうに言うから

もう僕は 可笑しくて 可笑しくて
君の情けない武勇伝を聞くたびに
必ず噴出してしまうんだ

何もなくて いいじゃあないか

結局のところ
ヒトなんて 何一つ
自分だけのものなんて持ってないんだよ

どっかで 誰かに世話になって
自分と 周りを つくってくんだ

それでも なお
君は 自分だけのものが欲しいと云うのなら

僕の話なんて 聞かないんだから
ソレが大いなる勘違いだって 気付くまで
格好つけて足掻けばいい

僕はそれを
隣でみていて あげるから
頭がいいくせに馬鹿な君が 気付くまで
ずっと ずっと みていてあげるから

君の云うその
いちにんまえ っていうものを 目指せばいい

君は 雑踏の中でまだ僕に情けない声で
詰って 怒って
挙句の果てに
懺悔して

全く 君の云うことは 支離滅裂だなぁって
僕が機嫌よく云うと

君が 今度は 泣きそうな声で

寂しいんだ 

って 云うから

ああやっと ヒトりよがりの馬鹿がヒトを頼ったぞって
僕は 大雨のなかを
飛び出して いくんだよ 馬鹿みたいに 

そうやってさぁ 僕等
結局 馬鹿は 治らなくってまた
同じようなことで怒って
同じようなことで泣いて
同じようなことで笑うなら

もう

ないものだらけの 僕等でいいじゃないか やっぱり

それだって きっと どこかで 死ぬほど幸せだから
僕等 離れないでいるんだろう

そんな幸せ 気付きもしないだけで

本当は





自由詩 そうやって Copyright ウデラコウ 2008-08-17 22:54:11
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