タンポポ
Etuji

そこは暗い地中だ
酷薄なアスファルトの下で
だれがその闇の深さを知るだろう

行き場のない叫びが
硬くのしかかる中
陽の記憶がうごめくのだ

絶望をしりぞけ
陽の記憶のままに
永遠の手をとる

暗い地をわり
酷薄な日常をわり
新しい陽の記憶をやきつけるのだ

風にのる
増殖の摂理の
その力のまえに
その美しさをまえに

私は
蘇生することの意味を
問えない。



自由詩 タンポポ Copyright Etuji 2008-08-17 21:34:05
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