銀色のランドセル
長谷川智子
作業台の上にスプレー缶。
ピカピカの白いランドセル。
「リュウジ、何やんの?」
リュウジはオレの父ちゃん。
ウチみんなよびすて。
「ま、見てりゃわかるって」
銀色になったランドセル。
「どうだ?」
「‥つまんね」
「じゃあ‥」
ファイルの中をゴソゴソ。
ペタリ。
「出来たv」
ドクロステッカー・ランドセル。
「すげぇかっけー!!」
「また何バカなことやってんの、アンタたち」
ミナコ。オレの母ちゃん。
いつもこんなん。
つぎの日、学校でカズキたちに見せた。
「ゥオッ!スッゲェェェ!!!」
「リュウジ神だょ☆」
やっぱ思ったとおり。
「だろ?」