ふたりで旅を
こばんねこ
それは、あまりにも失いがたかったのですが
みずいろの中で
其の風がひとり花占いをしていたので
とても寂しく思ったのを覚えています。
花は
時にわたしのなかを駆け巡ると
小さな手を夢に絡め
可憐な笑顔で試験管の気体をつくりあげたり
また、ことばどおりの涙を浮かべたりしていました。
枯れました
とうのむかしに
咲き誇り
惑わし
枯れました
其の花は
いくつもの、
枯れました
首元に鈍く光る安物のガラスケースは
ピリオドを打ち込んで
尚も
傘のなかの日射しに甘んじているのでしょうか。