歩くワカメの集まるバー
詩集ただよう
ここは第六世界太陽系惑星地球・日本国東京都四丁目のバーの中。
私はバーテンに言った。
「二、三個前のさっき、私が飲んでいたカクテルは料理だね」
バーテンはシェイカーを振るのを止めずに下を向き、微笑んだ。
「口が喜ぶよ」私は続けた。
スピーカーから流れ出る音が私の神経を叩いて振動させている。
フロアには歩くわかめ達がいる。
私もそれの仲間入りをした。
皮膚で音の海を泳いでいると、私は友達を見つけた。
「やあ、初めまして久しぶり。君の名前はなに?」私は友達に聞いた。
「僕はキミノ・トモダチです」
「キミノ・トモダチか、いい名前だね。ではまた」
私は私の友達のキミノ・トモダチと別れた。
六十階の窓からテーブルの上にある煙草をとると、バーテンが次の料理を出してきた。
アルコールの入った冷製トマトスープの味がした。