朝 の、
るか
かさついた
ふるい
手紙を
燃やして、
灰は
深い色をした
( 既に遠い )
海へ
棄てた。
未来のように
宛ての
しれない
故郷へ
灰 は、
届く
だろう
か
朝 は、
たえきれない
紐
のように
わたし
たちの
しずかな
愛を
繋い
で
「 なにもかも
始まって
いないにせよ、
すべて
了っている、
にせよ ─── 」
既に遠い
抒情の岸辺に
立ち、
空虚なこころ
と
空虚なこころ
とが
求めあい
うらぎられる
朝、
わたしたちは
余震
のような
挨拶で、
かすかに
結ばれ
て
いない
訳では
ない
か
なにもかも
始まって
いないにせよ
すべて
了っている、
にせよ ───
中央の
なまめかしい
傷跡を
散策する
ような
朝、
( 手紙を
したためます、
約束の手紙を、
一度きりの
私信を )
ふたり、
唇の血は
今朝も
くらく
滲んで