焼け野が原
あおば

           01/10/03


焼け野が原に朝が来た
痩せた影が原稿を書いている
おいらは食うものがないから
水たまりに写った雲を見ながら
焼け残った太陽の欠片を拾う

一日が終わる前に
焼け野が原に夜が来た
真っ暗でなにも見えない
空き腹を抱えて静かなもんだ
月が出るまえに黙って眠りたい

ヤケノガハラ?
ふざけるな、俺様はな
よわむしじゃねえ!
酔っぱらいのだみ声がする
原爆なんて生温い!
水爆を落とせ水爆を
水爆水爆水爆万歳 スイバク
スイバクを持ってこい
スイバクだぞスイバク
わかってんのかスイバク
バク、バクバクバクバク、バクッ
奴らの上にスイバクを落っことせ

ヤケノガハラに月が出た。





過去作




自由詩 焼け野が原 Copyright あおば 2008-08-11 00:12:45
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