わたし
エチカ
思考ははねる
途切れそして、繰り返す
そして思考は夏の日差しの中で
ぽわん、と浮遊した
クラゲみたいです。
水族館の中で
日の光を浴びながらゆらゆらと。
夏の街角で出会った友人は
足が無かったの、
夏の蜃気楼のようにただぼんやりと
地表に浮かんでいつまでも
じいっとわたしを見ていたわ。
そこに在るようで
そこには無い
そこかしこに浮遊する
あなたの夢のように
思考はただ横たわっていた。
動物園で干乾びたカバのように
あるいは立ち尽くすゾウのように
悲しみに覆われた戦争の記念碑のように
ただそこに横たわって、
黙ってそこにただ存在していたの。
あっ、あっ。
思考が
思考が死んでゆく !
思考が溶けて流れてゆく!
あの日遠くに見えたきのこ雲のように
音も無く静かにもくもくと
イメージの中で
空に溶けた日 思考が消えた空の中で
わたし、溺れてしまった。
息をすることを忘れたわ
夏の日差しに溺れた。
泳ぐことを恐れて
進むことを止めた。
そこにとどまって、ただ浮かんで
思考を溶かしたの。
思考はみごとに、そこであえぎ
わたしは溺れたわ。
溺れて
わたしあなたに言ったわ
「グットモーニング。」