わたし
エチカ

思考ははねる
途切れそして、繰り返す
そして思考は夏の日差しの中で
ぽわん、と浮遊した


クラゲみたいです。
水族館の中で
日の光を浴びながらゆらゆらと。

夏の街角で出会った友人は
足が無かったの、
夏の蜃気楼のようにただぼんやりと
地表に浮かんでいつまでも
じいっとわたしを見ていたわ。

そこに在るようで
そこには無い
そこかしこに浮遊する
あなたの夢のように



思考はただ横たわっていた。

動物園で干乾びたカバのように
あるいは立ち尽くすゾウのように
悲しみに覆われた戦争の記念碑のように
ただそこに横たわって、
黙ってそこにただ存在していたの。




あっ、あっ。





思考が
思考が死んでゆく !
思考が溶けて流れてゆく!


あの日遠くに見えたきのこ雲のように
音も無く静かにもくもくと
イメージの中で
空に溶けた日 思考が消えた空の中で
わたし、溺れてしまった。

息をすることを忘れたわ
夏の日差しに溺れた。
泳ぐことを恐れて
進むことを止めた。
そこにとどまって、ただ浮かんで
思考を溶かしたの。


思考はみごとに、そこであえぎ
わたしは溺れたわ。

溺れて


わたしあなたに言ったわ



「グットモーニング。」


自由詩 わたし Copyright エチカ 2008-08-10 09:18:24
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