晩夏
エスカルラータ
8月の射手が海から畝へ遡上する
だれもいない猫と風鈴がラジオの号令を聴くのも(もう、)
ニュースキャスターが告げる赤とお決まり
サンダルの熱は浮上し、手動風力が帰り支度を始める
水紅の三角部分が しゃり、と鳴る(まなざし)
全休符に睨まれたスタッカートの傍/舞う切り花
振動式虫型コンプレッサーのフィンの音(ね)とともに、眠りにつく
自由詩
晩夏
Copyright
エスカルラータ
2008-08-09 22:26:29
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