Heartful Communications
りゅうのあくび

煌びやかな贅沢や
世界を動かすことのできる
怪力だけじゃなくて
幸せの震源地だって
僕らの透き通った心のなかにある

孤独な生きものだけが
見ることのできる
鏡のように耀く
大地があるとすれば
丘に暮れる月よりも
海を越える嵐よりも
そこには群集にいる人
それぞれのどっかりとした生き方が
色濃く映っている

大地をかすかに揺するような
地震が起きたとしても
群集の人々の身体は
一瞬のあいだに
驚きながら
波を打つだろうだけだろうが
一冊の詩集は
とても永い時のなかで
震えながら支える
心の大地に
高くそびえる聖なる山を
築くだろう
すべてと云える一つの
真実が映る鏡のような
耀く大地があるとすれば
それは魂の吹きすさぶ
聖なる山だろう

ふもとにある峠で
幻の深い森を迷い
ふと心を無くしたり
魂を忘れたりするとき
そっと人は恋を無くしたり
愛を忘れたりするのではないだろうか
遠い日の探しものみたいにして

生きるための
苦しさのなか
胸の痛さを覚え
熱さと火照りを感じて
楽しさの傍らで
誰かを呼びとめるように
澄み切った音を
いつも心のうちにして
それは人生の旅を続ける
魂のことだろう

日々の暮らしを
淡々といつものように
冷静に過ごしていても
でも心には
切ない揺らぎがあって
それを伝えてみたいという想いがある
きっとそれは幸せの
思いのことなんだろう
だからこの言葉を
貴方に残してみたいと思うんだ


自由詩 Heartful Communications Copyright りゅうのあくび 2008-08-09 20:43:33
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
Breath of Fire Dragon