ロボット 2話
長谷川智子
その1
カチンコチンに
かたまって
ピキンピキンと
おとがなる
道往く子どもに
すぐわかる
「あ!ロボットだ!!」
駆け寄った
子どもたち
さわって たたいて
けっとばす
びくともしない
「すげぇ‥」
“そんなでも
ないです(^_^;ヾ”
「わっ!しゃべった!!」
目を丸くして
目が回ってしまった
あわてるロボット
さあどうする!?
《つづく》
その2
ひっくりかえった
子どもたち
一人一人
を
背から出した
千手観音ですくい上げ
歩き始めた
街中で通りすがりの大人たち
見るなり
「すご‥」
「噂には聞いてたけど‥」
「ひょえ〜」
「写メ写メ!!」
なにくわぬ顔で
大通りの自転車道を歩くロボット
向かった先は
だだっ広い公園の緑地帯
雲の浮かぶ
まぶしい青空
芝生に眠る
子どもたち
寝転びながら
微笑むロボット。
―ピキン!
「あ、油差さなきゃ‥」
おしまい。