ロボット 2話
長谷川智子



その1

カチンコチンに
かたまって

ピキンピキンと
おとがなる

道往く子どもに
すぐわかる

「あ!ロボットだ!!」

駆け寄った
子どもたち

さわって たたいて
けっとばす

びくともしない

「すげぇ‥」

“そんなでも
 ないです(^_^;ヾ”

「わっ!しゃべった!!」

目を丸くして
目が回ってしまった

あわてるロボット

さあどうする!?

    《つづく》




その2

ひっくりかえった
子どもたち

一人一人


背から出した
千手観音ですくい上げ
歩き始めた

街中で通りすがりの大人たち

見るなり
「すご‥」
「噂には聞いてたけど‥」
「ひょえ〜」
「写メ写メ!!」

なにくわぬ顔で
大通りの自転車道を歩くロボット

向かった先は
だだっ広い公園の緑地帯

雲の浮かぶ
まぶしい青空

芝生に眠る
子どもたち

寝転びながら
微笑むロボット。

―ピキン!
「あ、油差さなきゃ‥」

     おしまい。


散文(批評随筆小説等) ロボット 2話 Copyright 長谷川智子 2008-08-09 08:08:30
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