「 しねぱそこん。 」
PULL.







 七年もののぱそこんはきゅるきゅると、ハードなハートが音を立てるので眠れない。「どうせ眠らないんだから関係ないね。」ときみならきっと、そう言うのだろう、あの歪んだ口でまんこを舐めるようにねちねちと、舌先で、またあたしをいたぶるのだろうだから、あたしは爪を立てて、ハードなハートにぎぎぎと音を立てて、いやしい記憶を書き込むの。

 容量はたくさんいちてらばいと。ちょっぴり要領が悪いあたしでも、どんどんぎぎぎ書き込める、メモリーは増設よんぎがばいと、ファンはくるくる回るけど、すぐに暑くなって暴走してしまうのがタマニキズ、Ctrl + Alt + Delそしてキス = 再起動、それできみはあたし怒ったことも起こったことも忘れてしまったと思っているよ、でもぎぎぎ、キズはキスでは治らない。

 再起動、再起動、再起動、サイケデリック軌道。記憶は鮮明とってもリアル、在るような無いような無いような在るような、まるでそんなリアルな弾丸撃ち抜いて、でも円盤はつるつるで肌触りはぎぎぎ、爪を立ててしまいたくてしまいたくてしてしまうの、それで傷付いて、傷付けてもうくたくたぎぎ、読み込めなくなってしまえばいいのに、昨日の軌道。

 持ち歩くのに便利なのはフラッシュバックメモリー。だから街角で止まって震えてぎぎぎ、泣いてるの。

 電源を引き抜けばぱそこんは止まってしまって、そこではもうコードは意味を成さないの。えーまいなー、びーまいなー、しーまいなー、ドドド、指を開いて押さえてあたし、ことばになってみる、でぃーまいなー、いーまいなー、えふまいなー、ぎぎぎガガガラジヨガガ、ググ、今はえーえむ午前三時丑三つ時ねもぉーだからコードはよく解らないあたしあなたのぎぎぎ、つめたくなってく指を開いて押さえ付けてもう一度はじめてえーまいなー、びーまいなー、しーまいなー、ぎぎぎぎぎぎぃぎぎぎぎぎ、ぎぎ、きゅるきる、ぱ。ぱぱ。

 しねぱそこん。












           了。



自由詩 「 しねぱそこん。 」 Copyright PULL. 2008-08-08 20:49:09
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