曇天蝶々

雨が降りやまない

世界ってそんなもん


光はたまに射すから美しい


価値に追いかけられて
青い蜘蛛の巣に絡まって
何かの拍子に思い出すこと

忘れた、もうずっと前に


雲の向こうの色とか
誰も知らない海の上にも雨が降ること
自分の羽が飛べる限界の高度


曇天に蝶々、神様のミステイク


笑い飛ばすように
またサナギになって

少しの間だけ、世界を拒絶する


誰にでもあるのかもしれない

柔らかく
温かな

原罪


消えないアザが愛しくなったら


また

生まれ変わっておいで




自由詩 曇天蝶々 Copyright  2008-08-08 19:08:36
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