楽園
AKiHiCo

突き落とされた先は闇
物故を見て此処は快楽の夢
戻ってゆく風が吹いて
探す楽園はいつかの思い出に

もう何処にも無く
自分さえも見失い
手足は内側から解けてゆく
落ちればいい闇の中へ
背中を押して強く
憎しみを込めて

探すのに疲れたのではなくて
無くなった過去なのだと
知っただけ
言い聞かせて進んだ路は
望んでいなかった荊
滴る血さえ見えず

出来損ないの人間
呼吸を止めて
締め付ける縄が食い込んで
再び感じる孤独
生きる意味など無いと
楽園は壊れたのだと

闇の中か或は光の中
金色の紙吹雪が舞う視界
さようならの唄が聞こえる


自由詩 楽園 Copyright AKiHiCo 2008-08-06 21:34:22
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