屋根の鳥
小川 葉

 
焼け落ちた
羽がまた羽のように
はばたいてる

焼く前よりも羽らしく
空気をとらえ
空気におぼれながら
屋根の上に
鳥がいる

まだ飛べない
幼い鳥の声がする
途方にくれて
ありもしない
羽を動かす

もう飛ばなくてかまわない
僕らは何も言えなくて
ただ目を瞑ってる
 


自由詩 屋根の鳥 Copyright 小川 葉 2008-08-06 20:59:43
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