「日時計」と、ささやく
たりぽん(大理 奔)

本当はあなたが生まれたときに
おめでとうと言いたかった
私の知らないあなたの時間に
こんなにも嫉妬しながら

また季節を一巡りして
出会えた感謝を伝えたい
公園のブランコの影がのびて
ジャングルジムの端っこに届いたら

本当の、ほんとうは
毎日がありがとうで
ともに過ごすこの夏が
異常に暑くって
だからって、のどが渇く

やっぱり生まれてきたことに
おめでとうと言おう
私とあなたは
私か、あなたの死を
見届けるかも知れない
だけど、無意味な時間なんて
微塵もないだろう
そらが青で満たされるように

公園でブランコの影が
ジャングルジムに届いたら
小さな声で「おめでとう」とささやこうよ
それならば一番近い距離できっと
想いを伝えられるから





自由詩 「日時計」と、ささやく Copyright たりぽん(大理 奔) 2008-08-06 01:16:26
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