新天地のうた
ゆうさく

目を追った先の、
飛行機雲が描いた、
初恋の計算式
イコールが、ひとりぼっち
 
わたしは駆ける
みずいろの自転車に
またがり
草風がその前輪に巻きつき
死んでゆくのだけれど、
だけれど、
 
水田に投げつけられた
雨の忘れもの、憂鬱
めんどくさがり蛙さんは
きらめきまでも
吸い取りはしなかった
 

目を追った先の、
飛行機雲が描いた、
初恋の計算式
イコールが、ひとりぼっち
と、
わたしもひとり
 
だいだい夕焼けが
わたしの奥底まで
うねり、いやらしく、
こだましている
、している
 
虹彩に焼き付けた、
だいだい色のまぼろし
 
まだ沈まない、
明日を
追いかける


自由詩 新天地のうた Copyright ゆうさく 2008-08-05 21:08:54
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