TONYO
セガール、ご飯ですよ

絶対的にめしが不足している空間で俺は
カンフーの極意を知る尿と戦っている
知恵と勇気が通用しない相手に俺は
なす術もなく翻弄されているデイズ
尿瓶に満載された何者かの尿が
ガラス越しに挑発的な視線を放ち
腹が減って動けない俺は
大戸屋の定食メニューだけを眺めて
チキン母さん煮定食の味を反芻し
あるいは
自身の腋臭によって惹起される
本格的インドカリー店の厨房
あやかしに惑わされ
冷たいタイルの上に横たわったまま
瓶詰めの尿と睨み合っているデイズ
こんなことをしている場合ではない


自由詩 TONYO Copyright セガール、ご飯ですよ 2008-08-05 18:43:49
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