テディベア、ハンブルグのヘヴィロックバンド"ファウスト"へ会いに行く1971
構造
まずは大間違いからはじめた
朝焼けで焼身自殺してやる
俺は日の出を待っていたのだ。
案の定間違いで
脳みそが震えながら悪態をつきはじめた
寒がりの嘔吐に似ていた
白い息を、白い息を、
ヒッケヒッケと止めた
方向がわからないほどぼんやりし
そして辺り一面は白まみれだった
遠鳴りは声だけで
ぶつかってぶつかって
いや、うそかもしれないけどこれって
ぼくのまわり数センチだけに音波を反響させる
壁があるということなんだ
テディベアよ、テディベアよ
クソがつもったクソ田舎で
しょっぱい仕事なんていくことはない
おまえはハンブルグのヘヴィサイケバンド
"ファウスト"のレコーディングを目撃し
彼らのセッションに参加するのだ
5−4ビートをたたきながら
ノイズにうずまって毛むくじゃらにして
連中のハードコア具合をやわらかく
フワフワに仕上げてやるのだ
"おれはドラムなんて叩けねえよ"というと
誰かがダウンジャケットを指差した
雪を払おうと、バシバシ叩くと
羽毛がこぼれ、こんな朝の
こんな様相としてはまぁ
くらくらだ
砂糖を大量にぶちこんだ雪を
べとべとしながらそれでも
澱まで一気に
もう、踏み倒しちまえ
でも弾力でけっきょくは
飛んで飛んでぼんやりする
ふんわりは
純潔にはちっとも似てない
ファックに似ていて
真っ白だ
自由詩 テディベア、ハンブルグのヘヴィロックバンド"ファウスト"へ会いに行く1971
Copyright 構造 2008-08-05 00:09:02