水のための夜
小川 葉

 
水のために
夜は流れるので
その最下流
海が見えるあたりにはきっと
朝がある

朝のために
水は流れるので
その最上流
泉が湧くあたりにはきっと
命がある

そうして
やってきた
夜は繰り返すばかりで
人は水のために
生きている

水のない
川が見ていた
夜の夢のように
 


自由詩 水のための夜 Copyright 小川 葉 2008-08-04 22:23:23
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