夏日
唐草フウ

海色に囲まれてただ、沈んでく羽毛の底に疲れた背中

抜けがらだけ置いていきやがってという人もまた何時か脱いでゆく

午前四時朝になるか夜にとどまるか。待てずなき出すのはだあれ

もう二度とない砂浜に行こうね夢の特急列車で行こうね

暑い暑いと云う人の涼しげな誇らしさ。陽炎は見抜くよ

刺された右膝三ヶ所つなげば小さな夜空の大三角形トライアングル

大丈夫夏がすべてを消してくれる花火の音で騒ぎ散って

甲子園の土の匂いがここまでして来そうな延長戦、夏

「終わらない」のびてくじけるのにいつの間にか終わってしまう夏の日


短歌 夏日 Copyright 唐草フウ 2008-08-04 18:53:42
notebook Home 戻る