気まぐれ賢者
太陽の獣


白いボードを指さして賢者のフリをする
希望という字を探してみても結局はあれだ
僕の腕を支えているのはそんなまやかしではなく
他ならぬ自分だと
遅かれ早かれ気付いてしまうから
時折、こうして賢者のフリをするんだ

星空を眺めては変わらぬ景色に不満を抱く
そんな時はいつも綺麗だと呟く様にしている
あたかも自分がその一部である様に綺麗だと呟く様にしている
僕の目に映る星空は
そんなに綺麗じゃない

両手を掲げ宇宙を呼び込めば
それは驚く程軽いものだった


賢者のフリをする
白いボードに星空を描いて
僕は天を指さした



自由詩 気まぐれ賢者 Copyright 太陽の獣 2008-08-02 20:59:16
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